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2014-07-05

羽毛(11)

ネックレス官女は、ホウオウレンジャーの耳元に口を寄せて語り掛けながら、赤いネックレスを持つ本体への距離を徐々に縮めていった。
「妹の黒髪地獄は如何だったかえ? なかなかの悶えっぷりだったわ、ほっほほ……」
「だ、黙りなさい! 一体何をする気なの……!」
明らかに次の責めのために用意されたネックレスを、目の前の怪人の両手がジャラジャラと鳴らして見せるのをホウオウレンジャーは不安とともに見つめた。縛られた身体でもう一度もがいてみせるが、ネックレス官女の首の締め付けは緩みもしなかった。
「お姉様、そのまま壊してしまわないで頂戴ね。最後はわらわが……」
「それはこいつ次第よ、ほほほ……」
後ろから姉に呼びかけるイヤリング官女の言い方に、歯の鳴ってしまいそうな恐怖が込み上げる。

「やっ、やめろ……やめ……!」
ちょうど天宝来来の珠ほどの赤い球が連なったネックレスの金具を外して一直線状にし、その両端を摘まんだ手がこちらへ差し出されてくる。ネックレスをホウオウレンジャーの首に掛けようとするネックレス官女の身体を、どんどんと必死で蹴り付けるが、力の差は歴然としていた。首枷のような重量感を感じさせるネックレスを首回りへ巻き付けられ、首の後ろで音を立てて金具を嵌められた。
「……!」
パチン、という小さな音を聞いた瞬間、ネックレスが鈍い光を放った。

目に映る景色が一瞬歪んだかのように感じられた。首筋から薬物を注入されたような、それとも延髄に電気刺激を与えられたような……
「っぁ、ぁ……っつ!」
頭蓋骨の中身を掻き回される感覚が数秒続いたあと、視界がぐらりと横に回転し、目の前に乾いた土の地面が現れた。それだけは幻覚ではなく、ネックレス官女の首拘束が外されて地面に倒れたのだった。
「ほっほっほ……」
「おほほほ……! 流石の効き目ですわ」
身体が不自然に痺れ、痛みとは違う感覚のために動かせない。横倒しになった自分の身体を何とか転がし、這うような姿勢になったところで、再び脳が掻き混ぜられるような感覚が襲った。脳から全身の末梢神経に向けて熱いものが流れ、広がっていく。
「何……これ……」
ネックレスの力で、脳を弄られている。それだけは直感的に理解することができた。
(あ……熱い! 身体が……!)
熱病に浮かされたように身体が熱を発し、そして皮膚の感覚がおかしくなっていく。スーツにぴっちりと包まれた身体を少しでも動かすたびに、すべすべとした生地に全身をくまなく撫で上げられることが気になって仕方がない。熱にもがくたび擦り合わされる両膝、地面に押し付けられている胸、薄いボディスーツの上に着た胴衣……
普段意識することのなかったスーツの感触や密着性が、なぜか今はそばに居る敵の存在よりも重大なことのように思えてしまう。
「こ、この…… ネックレスは……」
麻痺のためにまるで自分のものでないような右手を動かし、首に着けさせられたネックレスを掴む。脱ぎ捨てようと上方へ引っ張るが、マスクの直径がネックレスよりもわずかに大きく、頭からネックレスを引き抜くことができない。
「う……うあぁっ!」
ガチャガチャと無駄な動きを繰り返すが、ネックレスも、当然のことながら自分自身のマスクも、伸びたりたわんだりような強度ではない。
「おほほ……! お前の力で千切れると思って?」
着け外しするための金具があったことを思い出し、両手の指でネックレスの接続部を探り当てようとする。しかしじんじんと麻痺し、分厚いグローブに覆われた指では、球体が連なったネックレスの形状を確かめるのがやっとだった。そして、視界の狭いマスクでは、自分の首のネックレスを直接見ることができないのだった。
「っく……!」
転身を解きたい、という思いがホウオウレンジャーの脳裏をよぎる。イヤリング官女達の執拗な攻撃から身を守ってくれたスーツだが、マスクやグローブで不自由に拘束され、全身を常に撫で回されていることが今は恨めしかった。

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2014-07-06

羽毛(12)

「は、外し……なさい……!」
スーツの中で高熱に悶えながら、 倒れたまま身体を丸め、首の後ろでネックレスの連結を解こうとしているホウオウレンジャーの背後に、ネックレス官女が立った。伸ばした首を元に戻し、そしてその手には、地面近くまで垂れ下がるような、黒い球体を連ねたネックレスが握り締められている。
「諦めが肝心よ、ホウオウレンジャー」
手にした長いネックレスを鞭のように大きく振り上げ、そして足下のホウオウレンジャーの尻へ向けて勢いよく振り下ろした。

バチイイィン、と、辺りに響き渡るような音が響いた。
スーツ表面で火花が上がるような一撃を受けて、ホウオウレンジャーは丸めていた身体を仰け反らせて短い悲鳴を上げた。叩かれた場所を押さえ、それ以上の悲鳴を漏らすまいと堪えるが、手を当てたその場所には、いつも打撃を受けた時に感じるのとは違う妙な感覚が生じていた。攻撃後にしばらく響くように残る痛み、叩かれたあとが腫れていくような感覚、そのどちらもが、もっと違う種類の疼きに変わってホウオウレンジャーの腰の一帯に留まっている。
「くっ、く……ぅ!」
訳の分からない知覚に、体温がさらに上昇してどっと汗が噴き出す。
黒いネックレスが再び振り下ろされ、鋭い音を立ててホウオウレンジャーの背中を打った。
「はあぁうっ!」
ネックレスの黒い球体は宝玉ではなく硬いゴムのような素材で出来ており、それがスーツの表面に当たる時に鞭のような音を立てていた。そんなことを考える余裕があるほど、ホウオウレンジャーはこのとき苦痛を感じていなかった。ただ、背中から腰にじんじんと響き渡る衝撃の余韻を必死で堪えていた。
奇妙な痛覚、違和感の正体が、ホウオウレンジャーにも解りかけていた。鞭打たれた身体が感じているのは快感、それも、子宮や卵巣を疼かせるような性的な快感だった。
そのことに気付いた時、逆にそれを認めたくないという感情が同時に沸き起こった。痛覚が何か別の感覚に変化していること、脳に与えられた操作、身体の異常な興奮、それらが一つに繋がってしまったのだ。
ホウオウレンジャーの身体はネックレスの効果によって、一言で言えば、発情させられていた。そして、痛みを快感にすり替えて感じるように、神経や気力の働きを狂わされてしまっていた。
三発目の鞭が、一発目とは反対の尻の肉を音を立てて打った。
「あっはあぁぁっ!」
両手で尻を抱え込むようにして、ホウオウレンジャーは下半身を突き刺す性感に身を震わせる。腰骨の奥、様々な生殖腺や粘膜器官が、この性行為のような激しい快楽を受けて疼き始めていた。
「ほほ…… いやらしい声だこと」
ネックレス官女の言葉に言い返す余地もないほど、身体は発情の度合いを強めていた。

(どうして……! どうしてこんなのが気持ちいいの……!?
尻に受けた一発目の鞭叩きがまさに決定打だった。あの一打がスイッチとなって、ホウオウレンジャーは痛覚の全てを快感へと置き換えられてしまっていた。
鞭打ちの痛みだけではない。イヤリング官女にさんざん締め上げられて骨や関節に残っている痛みまでもが、まるで性行為の余韻のように妖しく神経に染み渡ってくる。
(こ……この状態でまた…… あの攻撃を受けたら……)
もはや記憶の中の苦痛さえもが快楽に置き換えられてしまっている。イヤリング官女の髪で身体中を締め上げられ、電撃と気力吸収でいたぶられ続けた事を思うと、戦いではなく性凌辱の記憶を思い起こすかのように身体の火照りが加速してしまう。
「ひっ……!」
ネックレス官女の鞭打ちから逃れようと、四つん這いになって痺れた下半身を引きずるホウオウレンジャー。脚を動かそうとすると、下腹部の内臓が熱く溶けていってしまいそうになる。短いスカートはその下の股間部を隠すことができず、ピンク色のボディタイツに暗い色の染みが一筋滲んでいるのを背後の敵に見せ付けてしまっていた。

そして、這ってゆくその先に立ちはだかったのは、イヤリング官女だった。
「あ……あっ……!」
ホウオウレンジャーとの距離をゆっくりと詰めながら、イヤリング官女はその豊かな黒髪を音を立てて伸ばし始めていた。
「お姉様、わらわにもそろそろ遊ばせて頂戴な。さっきよりもっといい声で鳴かせられそうですわ」
「ええ、そのつもりよ」
姉妹に前後から挟まれ、逃げられないことを悟ったホウオウレンジャーは、イヤリング官女の髪から目を離すことができなくなっていた。下腹部が妖しく疼き、自分の指で慰めたくなるほどの異常な渇望感に支配されている。
これからあの髪に全身を巻き込まれ、今のこの身体であの地獄をもう一度味わうのかと想像すると、恐怖、そして否定することのできない期待感でガクガクと震えてしまう。

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