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2015-02-15

飼鳥(14)

口紅歌姫がホウオウレンジャーの右足の爪先全体をぐっと握り込み、その柔らかさを確かめるように5本の足指をそれぞれ短くつまんだ。革かラバーの手袋を嵌めたような口紅歌姫の冷たい指の感触を気にしながら、しかし何もない天井を見詰めることしかできないでいると、足の親指を除く4本の指がもう一度強く握り込まれた。
「いくわよ……」
口紅歌姫の手のひらに徐々に力が込められ、足で握り拳を作るように、指が内側に強く折り曲げられていく。
「んんぅ……っ!」
(何、何をするの!?)
逆関節に曲げられたわけではないものの、柔らかく折れ曲がるようにはできていない足指に力を掛けられ、可動範囲を超えて引き伸ばされた関節や腱がミシミシと音を立て始める。
「ん、んぐうぅっ……! んん〜っ!」
(や、やめて! これが纏足なの!? 折れる! 足が……!)
人間の力とは全く次元の違うゴーマ怪人の握力で足先を掴まれ、手というよりも機械に足を挟み込まれてしまったような容赦の無さでゆっくりと指の骨が破壊されていく。ミシッ、メリッという音が、ホウオウレンジャーには足の骨を通じて脳にまで響いて来ていた。
「んっぐぅうううぅっっ! 」
(やめ……っ! お願いやめて! 助けて! 高村さん!)
肺の中から絞り出すような唸り声の悲鳴と心の叫びも虚しく、比較的太い人差し指の関節がボクッと音を立てて外れたのをきっかけに、四つの指はどれも完全に足の裏へ曲がりきり、角度によっては親指を残して指が綺麗に切り取られたようにも見える状態になった。

(あぁああああぁっ!)
稲妻のような激痛が下肢全体に響き渡り、折れてはいないはずの親指も含めて右足の爪先はただ痛みの塊しか感じることができなくなっていた。
「こんなものかしら」
そう言って口紅歌姫がもう一度爪先をギュッと無造作に握り締めると、ベッドの上の身体が縛られたまま大きく痙攣し、張り型で塞がれた口から苦悶の声が漏れ出す。
「んぐううぅうぅっ! ふぐうぅっ!」
硬質ゴムのような質感の張り型に歯を食い込ませ、ホウオウレンジャーはまともに叫び声を上げることすら許されない厳重な拘束の中で激痛に涙を流す。
(あ、足……! 骨が……! これじゃ本当に、歩けなく……逃げられなくなる……!)
まだ骨を折られていない左足の指をふるふると動かしながら、この左足も今から右足のようにされてしまうのかと考えるが、その想像の更に上を行くように、口紅歌姫の手はホウオウレンジャーの右足を再び掴んだ。
「次は、横幅ね……」
足の側面、小指がある側を口紅歌姫は片手で握り、もう一方の手では踵のあたりをがっしりと掴んで、足の横幅が縮まるように足の骨を内側へと折り曲げていく。
「んんっ! んっ! んんぐうぅ!」
爪先を折られた時とは違い、今回は完全に関節とは無関係の箇所を力任せにへし折られ、その部分の骨は完全に粉砕された状態で足の肉が団子状に丸められていく。もう足がどのような状態にされているのか、ホウオウレンジャー自身には感じ取ることができない。
口紅歌姫はこの処理を終えると紫色の包帯を出し、完全に丸まったホウオウレンジャーの足に何度か巻き付け、そこからは足を密封するように包帯をきつく締め付けながら、足首から下を満遍なく覆った。ホウオウレンジャーの足は、潰れた握り拳を爪先で作った状態で固定され、紫色の小さな靴下を履いたような状態になった。
「これでよしと……」
「ん……んん……」
足を破壊され終わり、痛覚で神経が飽和したようになったホウオウレンジャーはもう意識が朦朧とし、口紅歌姫が包帯の上から右足をポンポンと叩いてもほとんど反応を示さなかった。それに不満げな様子で、口紅歌姫はホウオウレンジャーの左足の先を掴み、関節の限界近くまで一気に折り曲げる。
「んんぐぅうううっぅっ!」
新たに始まった苦痛の儀式にホウオウレンジャーは強制的に目覚めさせられ、そこからまた右足と同じだけの時間をかけて残った足を纏足されていった。

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2015-02-22

飼鳥(15)

両足が紫色の包帯でぎっちりと巻かれ終わったとき、ホウオウレンジャーはもう叫ぶ力を失い、あらゆる痛みにも無反応になって、意識があるのかどうかも定かではないような状態だった。寝かされている白いベッドはこの一時間ほどの間に大量の汗を吸い込み、シーツは乱れて沢山の皺ができていた。
「リン、終わったぞ、よく頑張った」
メディア魔術師に手を握られてそう話しかけられても、わずかに呻いて返事を返すだけだった。
(足が…… 私の足が……!)
指や足の甲を砕かれ、自力で監禁から逃げ出すことができなくなっただけでなく、もう二度と戦うことができないのではないかという絶望がホウオウレンジャーの脳裏を巡っていた。

「あら、そっちも終わったのね。丁度いいわ」
隣室から現れたコットポトロから、さっき指示とともに手渡したホウオウレンジャーのブーツを受け取り、口紅歌姫は手の中でしばらくその形を確かめる。
「見なさい、これがお前の足よ」
手に持ったブーツの爪先でマスクの額のあたりをこんこんと叩いて、口紅歌姫はホウオウレンジャーに、部下に改造加工させたブーツの形状を見せ付けた。
(私の……足……?)
先程脱がされた自分のブーツを見せられて、一体何を言われているのかしばらくは分からなかった。スーツと同じ配色でデザインされたロングブーツが色々な角度から見えるように、口紅歌姫はそれをゆっくりと回転させてみせる。
(……!)
ブーツの底が見えた時に、いつもと何かが違うという違和感の正体が分かった。脛のあたりまであるブーツの長さは変わらないのに、靴裏の面積が半分ほど縮めたように不自然に小さくなっている。まるで小学生くらいの子供の足のサイズで大人のブーツを作ったように全体のバランスが変わっていた。
口紅歌姫が手の中でブーツを回すと、底から足首までの部分も改造を受けているのが見えた。ヒールのないデザインにもかかわらず爪先立ちをした形にブーツの甲が傾斜しており、それはつまり爪先を握り込むように纏足された足を無理やりその中へ詰め込むための形であることがすぐに分かった。
(あれを履くの……?)
今までの自分の足とは全く違うフォルムに変形されたブーツは、踵から履き口にかけて大きくファスナーが施されていて、それで脱ぎ着するようになっていた。口紅歌姫はそのファスナーを音を立てて開けると、ホウオウレンジャーの足にブーツを被せ、再びファスナーを引き上げた。

「っ……!」
ジジジジジ、という音と共に、足先に新たな種類の痛みが追加された。折り曲げられた足の肉がブーツの中へきつく封じ込められ、締め付けを受けて持続する鈍痛をもたらしてくる。
(や……やめて……!)
左右の足に纏足ブーツを履かせ、ファスナーを上まで締め終わると、口紅歌姫はファスナーの引き手を強く掴み、捻じるように引っ張った。バチンと音を立てて引き手やスライダーの金具が破壊され、ファスナーの端は溶接したように潰れて、見るからにもう開けることができない状態となった。
「ほほほ……分かる? これでもうお前のブーツは脱げなくなったわよ」
「ん、んん~っ!」
千切れた金具の切れ端をホウオウレンジャーへ間近に見せ付けた後、口紅歌姫はそれを床に放り投げて後ろを向き、他の怪人達に告げた。
「ハイ、纏足はこれで終わり。あとは次の処置にいくわよ」
その言葉と同時に、ベッドに縛り付けられていた全身の拘束が徐々に緩むのをホウオウレンジャーは感じた。手足や頭に巻かれていた分厚いベルトが解け、苦しかった呼吸が少しずつ楽になっていく。
(う、動ける……? でも……)
これは敵が意図してベルトを外したのか、それとも口紅歌姫はまだ気付いていないのか、などと考えているうちに、口紅歌姫はもう一度こちらを振り向き、ベッドを宙に浮くほど強く蹴り上げた。
「んううぅうっ!」
ベッドが大きく傾き、ホウオウレンジャーはシーツを寝台上に残してごろごろと横向きに床へ転がり落ちた。

寝かされた姿勢で縛られ、そのまま激痛を注がれ続けた身体は拘束が解けても動かすことが難しかった。床に落とされたときも手や膝で身体を守るということができず、纏足された足を床面に叩き付けたために痛みが全身に響き渡り、しばらくその場で身体を引き攣らせて呻いていた。
ベッドの側を回って、口紅歌姫は倒れたホウオウレンジャーの顔を見下ろす位置で足を止める。
「立ちなさい」
「んう……」
立てるわけがなかった。床に落ちた時のままうつ伏せの姿勢から動けず、足に少しでも刺激を与えないようにと両脚をぴんと伸ばして揃えている。本当なら、自分から上半身を起こして足の状態を確認したかったが、あまりの痛みで膝を曲げることすらできないのだった。
「聞こえないの?」
口紅歌姫は唇の形をした巨大な青龍刀を取り、ホウオウレンジャーに切っ先を突きつける。
(や……やってやるわよ……!)
どんな目に遭おうと、もうこれ以上敵に情けない姿を晒したりはしない。その一心で、上半身をようやく少し持ち上げ、硬直した膝を何とか折り曲げて立ち上がろうとする。心臓の鼓動のたびに足首から先がズキン、ズキンと痛むのを感じながら、ボロボロの身体を懸命に動かす。
しかし、足に力を込めようとするともう駄目だった。激しい痛みで身体が震え、手にまで力が入らなくなって、頭から血の気が引いていくような感覚と共にがっくりと元のうつ伏せに戻ってしまった。
「ほほほ…… いいざまだわ」
刀の側面をマスクの頬にひたひたと当て、口紅歌姫は言う。
「今度こそ逃げられないわよ。ここからが本当の刑期の始まり。お前を人間以下のモノに堕としてやるわ……!」

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