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2015-03-22

飼鳥(16)

ベッドが片付けられ、部屋の照明が明るく灯されてから、怪人達はホウオウレンジャーを巨大な鳥籠の中へ引きずり入れ、改めて拘束し直した。
内部には人が立つことができる程度の高さがあったが、その中を動き回ることはできず、両手を背中側で縛られて腹這いで転がされていた。下半身は縛られてはいないものの、纏足の痛みは全く引いていく気配がなく、立つどころか動かそうという気にもならない。
鳥籠の底は軟らかいゴムマットのような素材で出来ていた。手足の自由はないが何とか身体を休めることはできる。疲弊しきったホウオウレンジャーは今から何が始まるのかを考える余裕もなく、床に沈むようにして眠り込んだ。

だがその休息もわずかの間のことだった。数時間後、鳥籠の内外ではゴーマが用意した数々の装置が稼動し、ホウオウレンジャーに最高刑の執行を開始していた。
とりわけ目を引くのは天井から垂れ下がった太いチューブだった。動物の腸を思わせる柔らかなホースが鳥籠の柵の隙間を通ってその端がホウオウレンジャーのマスク口部に接続されていた。勃起した男性器の形の張り型が内向きに取り付けられている、マスクの銀色の部分の外側である。
どのような仕組みになっているのか、チューブを流れる液体は銀色の嘴のパネルを通り抜けて、内側でホウオウレンジャーが咥え込まされている張り型へと送り込まれていた。
少し粘りを帯びた液体が、人工ペニスの尿道から迸り出てくるかのように喉元へと注ぎ込まれてくる。
「んんんうぅっ!」
思わず激しい吐き気に襲われ、何としてでも液体を吐き戻そうとするが、喉の奥まで突っ込まれた人工ペニスは自分のマスクにガッチリと固定され、それを空気が漏れる隙間もなく頬張らされて吐くことなどできない。甘ったるい香りを持った粘ついた液が、胃に向かって食道を滑り落ちていく。
「んぐぐぅっ! んん、んうぅっ!」
不自由な上半身を狂ったように動かし、ホウオウレンジャーはマスクに吸い付くように接着されたチューブを外そうと懸命の努力を試みる。
(こんな物……早く……! 駄目…… ぬ、抜けない……!)
頭上から伸びたチューブはマスク前面にぴっちりと接着されてマスクを吊り上げた状態で支えており、ホウオウレンジャーはうつ伏せの姿勢で顔だけを高く持ち上げられて、まるでフォアグラのために餌を強制給与される鵞鳥のように液体を飲み込まされていた。

しかし、ゴーマ宮に捕らえられてからこれまでの約一昼夜、少量の水しか与えられて来なかったホウオウレンジャーの身体はこの濃厚液の給餌を喜んで受け入れてしまっていた。張り型の茎部から徐々に滲み出すようにして舌に触れた液体は何かのシロップかと思われたほど甘く、それに気付いてからは、湧き出した唾液と一緒にゴクゴクと喉を鳴らして飲み込んでしまう。
飲んではいけない、ゴーマがただ栄養補給をさせるためだけにこんな仕掛けを使うはずがない、と考えるが、それでも抗いがたい欲求に従って、口いっぱいに頬張った男根型のチューブに舌を這わせ、甘い蜜を吸うことを止められない。
強制給餌器から供給される液体の魅力はその美味だけではなかった。口を蕩けさせるような甘みと同時に、飲めば飲むほど傷付いた身体の苦痛がほぐれていくような麻酔作用がある。変形ブーツで常に締め付けられて膝を曲げる事もできない纏足の痛みが一口ごとに楽になっていくのだった。一口飲むたびに思考力が奪われていくような、麻薬的な味わいの粘液を涙を流しながら飲み込んでいった。

胃の中が満たされた頃に液体の流入が止まり、投与チューブがマスクから外れて頭が床に投げ出される。口は相変わらず人口ペニスで塞がれているものの少しは楽に呼吸をすることができるようになった。その頃には足の痛みがほとんどなくなり、足首から下が痺れて感覚が失われているというだけの状態に変わっていた。
そして、腹一杯に飲まされた液体が、そのもう一つの効果を現し始めていた。
腹一杯に食事をした後の気怠い感覚、身体全体が温まったような感覚を、初めは快く思っていた。両手を縛られて固定されている背中のあたりや腋の下にうっすらと汗をかき、その両腕をもぞもぞと動かして、いま身体がどのような拘束を受けているのか、自力で抜け出せる可能性はあるだろうか、などと考える余裕が出始めていた。
「んん……」
全身の発汗や、足先のむずむずする痺れが膝のあたりまで這い登ってくるような感覚がはっきりと感じられ始めた。両手は金属製ではなく、幅広の分厚い革手錠で固定されているようだった。手錠がでぎっちりと締め付けられているグローブの手首部分にも汗をかき、不快感が際立っている。
(暑い……)
やはりあの液体に何か薬物が混ざっていたのでは、それとも部屋の温度が上がってきているのか、と考えるが、身体の違和感の原因は暑さだけではなかった。両脚のむず痒い痺れは膝から太腿までを徐々に支配し、それとは別に上半身にも何か落ち着かないような、じっとしていられないようなものが胃や食道を中心に広がってくる。
「ん、んんっ……!」
もはやあの液体の効果であることは間違いなかった。吐き出せるものなら吐き出したいが、マスクに投与器を咥え込まされ、スーツに細工をされたのか転身を解除することもできないようにされて、口が自由にならない。胃に入った薬液が吸収され、身体中に広がるにつれて違和感が増してくる。
暗い色をした柔らかな素材の床に貼りついたようになっている身体をもぞもぞと動かして、何とか体勢を変えようとする。できれば今のうつ伏せの姿勢から上を向き、部屋の様子がどうなっているかを確かめたかった。しかし、下半身の力が萎えたようになっており、膝で這って上半身を起こすということができない。苦しい呼吸の中、肩や頭で自分の上半身を持ち上げるような動作を繰り返すが、どうしても起き上がれない。
(だめだわ…… 足、足が……)
その間にも、身体の内側から滲み出してくるような疼きは堪え難いものになっていた。骨髄や内臓が、痛みではなく痒みに近いような焦燥感に支配され、上半身を常に動かしていないと耐えられない。

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