FC2ブログ
--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2017-10-09

迷鳥(5)

「やっぱり大学って結構…… 広い!」
メガイエローへの変身を一時解除して、千里は学内を走り回る。全身ピンク色の人を学内で見かけたという目撃者の話を聞き、その場所を探したが、建て替え中の建物や立ち入り禁止区域を迂回したりして、ようやく目的地に辿り着いた時にはリンの姿はなかった。

(そういえば、リンさんの変身前の顔も知らないんだった……)
高校の制服でいる千里の姿は大学構内で若干目立ってしまっていたが、リンが変身を解除していたとしたらこちらから探すのは難しそうだった。
(それと、口紅歌姫、だっけ? 怪人の名前……)
リンはもう怪人の元に辿り着いて戦っているのかも知れない。だが出会ってからあっという間に別れてしまったため、リン達が戦っているというゴーマ族のことも何も知らないままで来てしまった。
「まだ大学の中に居るとしたら…… 『歌姫』…… 音楽室?」
近くに掲げられた大きな構内地図を確認する。大学の敷地端には、他の建物からは少し離れて建てられた小さな音楽堂があるようだった。

・ ・ ・

教会や礼拝堂を思わせる、白い石造りの外壁に縦長の窓ガラスが一列に嵌め込まれた円形の建物の中からは、女声の合唱がかすかに聞こえてきている。
玄関には鍵が掛かっており、防音が施されているらしい分厚い窓を覗き込んでも、黒い遮光カーテンのために中の様子がよく分からない。そこから横へ回り込み、カーテンに隙間ができているのを見つけて、背伸びをしてようやく建物内部の様子を伺うことができた。
「……!」
高い舞台の上に並び、歌っている数人の若い女性は、全員が普通の合唱団やコーラス部員とは違う雰囲気を漂わせていた。服装は皆ばらばらの私服で、誰もおかしな服を着ているわけではなかったが、濃い色のアイシャドウを目元がぎらつくほどたっぷりと塗り、チークも特殊メイクでしか使わないような寒色のパウダーを頰に付けて、その異様な印象そのままの無表情で大きな口を開けて歌っている。
まるで自分の意思を失ったようなその顔と視線が合いそうになり、千里は慌てて顔を下に引っ込めた。

身を屈めたまま小走りに駆けて建物の裏へ回り、中の人間に気付かれず侵入できそうな入り口を探す。白い外壁に沿って視線を上げると、2階の窓にわずかな隙間が開いているのが目に入った。
(……よし!)
左腕を勢いよく斜め下に突き出し、手首の甲側に着けたデジタイザーを制服の袖先から露出させて、変身コードを入力する。
「インストール! メガレンジャー!」

次へ
プロフィール

鳥籠

Author:鳥籠
管理人の名前も鳥籠。
2chエロパロ板のヒロピンスレでの活動を経て個人ブログを立ち上げました。

サイトの説明
目次

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。