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2018-11-04

迷鳥(11)

講義棟のPC教室の隣、PCの周辺機器や音響・映像関係の機材が雑然と保管されている部屋にネジイエローは侵入し、ありったけの機械を接続して何かを始めようとしているところだった。LEDの点滅や冷却ファンのモーター音が部屋の中に不穏な雰囲気を漂わせている。
「口紅歌姫に会ったのね!」
「ええ、貴女を探しているようだったわ。上手く行かないものね、私はメガイエローに来て欲しかったのだけど」
「私は……」
そう言いながらネジイエローの居る室内に踏み込んだホウオウレンジャーは、足元の太い黒色の電源ケーブルが急に蛇のように跳ね上がり、ほつれた銅線を露出させている切断面が膝上の内腿あたりに押し付けられるのを感じた。
「うぐぁああああっ!!」
その瞬間、ケーブルのその部分から火花が吹き出し、ピンクのスーツ越しにホウオウレンジャーの身体に高圧の電流が迸った。
通電は一瞬の間のこと、破裂音と共に部屋の電源ブレーカーが落ち、照明はもちろん各種機器が全停止してから数秒後、ネジイエローが片手を上げるとそれらが元通り復旧した。

「ぁ…… あぁ……」
ホウオウレンジャーはスーツの太腿の、通電を受けた箇所に焦げを作り、そこからわずかに煙を上げながら、ケーブル群の這う床の上に横倒しになって呻いていた。床に垂れたケーブルの端の被覆ゴムが高熱で溶け、ジュクジュクと泡立っている。
「あら、この程度の電気でもう動けなくなるの?」
(あ、脚…… あしが……っ!)
腰から下の感覚がほとんど失われてしまったようだった。光線や熱ではなく、純粋な電撃を敵から浴びせられたことはない。スーツの耐久力が通用しない攻撃をいきなり受けてしまい、状況があまりにも悪かった。
「では」
ネジイエローは椅子から立ち上がり、床でもがいているホウオウレンジャーのマスクを掴んで引き起こすかのように、額のあたりに掌を押し付ける。
「う…… うぁああああぁっ!」
ホウオウレンジャーがまた絶叫する。電撃責めの苦痛とは違う、頭の中身をじかに手掴みされているような得体の知れない不快感だった。手を払い退けたいが、脚だけでなく全身に力が入らなかった。
「なるほど…… 面白いスーツだわ。ほとんど旧式の集積回路ばかりなのに、ナノマシンに近い発想のモジュールもある…… 表面素材も……」
気力やエネルギーではなく、スーツの持つ情報が吸い出されているということが、原理は全く分からないながらネジイエローの言葉から何とか読み取れる。身体の強張りに抗ってようやく相手の腕に手を掛けようとしたときに、マスクから手が離れた。
「……あぁっ!」
床に崩れ落ちたホウオウレンジャーは、ネジイエローがPCのキーボードや機材のスイッチ類を盛んに操作するのに不吉な予感を覚えてその場から逃げ出そうとしたが、その動きはすぐに察知され、脚を後ろから踏みつけられた。

* * *

ホウオウレンジャーは身体に力が戻る前に引き起こされ、部屋の中央に置いた椅子に座らされた。両手は背中の後ろで一纏めに括られ、両足はそれぞれ足首のあたりを椅子に縛り付けられている。

(製作中)
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Author:鳥籠
管理人の名前も鳥籠。
2chエロパロ板のヒロピンスレでの活動を経て個人ブログを立ち上げました。

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