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2015-01-14

飼鳥(9)

部屋に入ってくる人物をホウオウレンジャーはベッドの端に腰掛けて緊張しながら待った。
重い扉がゆっくりと開いた瞬間に、何とも言えない胸騒ぎがした。懲役刑の執行官という大仰な紹介のせいだけではなく、何か敵意をもってここに来た者がいる、という予感がしたのだった。

「やぁ……」
「お久しぶりね」
その予感は当たっていた。扉の陰から現れたのは、もう居るはずのない怪人、これまでダイレンジャーが倒してきた怪人達の姿だった。
紐男爵、ガマグチ法師、鍵道化師、そして口紅歌姫が、ショックで動くことを忘れたホウオウレンジャーを取り囲むように整列する。
「あ……あなた達……!」
「何を驚いているの?」
4名を代表するように、口紅歌姫が一歩進み出て言う。その冷静さを装った台詞に反して、口調と態度には愉快でたまらないという感情が現れていた。
「私達ゴーマは何度でも蘇る。特に、強い恨みを持って死んだなら尚更」
「ど、どういう事……!?」
怯えたように問いかけるホウオウレンジャーの言葉を素通りして、メディア魔術師は口紅歌姫に言った。
「もう一度お願いしておきますが、くれぐれも不要な苦痛を与えるようなことは……」
「ええ、分かっているつもりよ」
横顔を見せた口紅歌姫の頬には、消えかけてはいるものの大きな傷跡が残っていた。それはホウオウレンジャーが戦いの中で武器を当てて付けたものであり、口紅歌姫が今もこうしてホウオウレンジャーを特別に狙うような敵意を発散している原因だった。
「ねぇ、どういう事!? 懲役刑……を私は受けたんじゃなかったの!? 口紅歌姫、まさかあなたは……!」
「ほっほっほ、『懲役刑』」
口紅歌姫は可笑しそうに声を上げて笑った。
「この男にしては何だか、センスのない表現をしたのね。もっとあるはずでしょう。『慰安婦』だとか」
メディア魔術師の方を再び向いて尋ねる口紅歌姫が発した単語に、ホウオウレンジャーはびくんと背筋を引きつらせる。
「ノンノン、慰安婦はよくない。もっと可愛く、お人形さんというべきだね」
横から鍵道化師が身を乗り出すように口を挟んだ。
「最近じゃ、『ラブドール』なんてのもあるそうじゃない、ムヒョヒョ」
釣られて一斉に笑い出すゴーマの怪人達を前に、ホウオウレンジャーは手元のシーツの裾をぐっと握り締めた。メディア魔術師の口から懲役という言葉が出てからずっと、心の奥にはそれが何か性的な含意を持つものではないかという微かな懸念があったのだった。
(しかも、口紅歌姫が……)
ホウオウレンジャーに対して確実に強い恨みを抱き続けているはずの口紅歌姫が刑の執行に関わるとすれば、身体や心が正常なままで刑期を終えられるような内容ではあり得ない。今の怪人達の台詞はその心配に止めを刺すようなものだった。
完全に閉まりきらず少し開いたままの扉にちらりと目をやって、ホウオウレンジャーは心の中で呟く。
(逃げなきゃ……! ここで、今すぐ……!)
懲役が始まったら、隙を見つけ次第いつでも脱走してやろうと思っていた。だが口紅歌姫が隙を作るわけがない。逃げ出すチャンスは拘束の弱い今しかない。今なら、脱獄を許した責任がメディア魔術師一人にかかることもないはずだ。

「さあ、さあ早く始めましょう。私もう待ちきれないわ!」
昂ぶった声で紫色の大きな口紅を取り出す口紅歌姫の禍々しい気配に、ホウオウレンジャーはやはりここが最後のチャンスだと確信した。
口紅歌姫の手にしているものには見覚えがあった。初めて口紅歌姫が現れたとき、あの紫の口紅を塗られた女性達は正気を失い、「悪魔聖歌隊」として口紅歌姫の下僕に変えられてしまったのだった。
(洗脳……!)
絶対にあの化粧を受けてはいけない、とホウオウレンジャーは首から上だけ解けていた転身を瞬時に復元し、ピンクの鳳凰のマスクで顔を守った。
「あら、いけないわ。せっかく外してあげたのに。今度は、無理やり叩き割るしかないわね……!」
そう言って他の怪人達と共に詰め寄ろうとする口紅歌姫をぐっと睨みつけ、ホウオウレンジャーは全身に力を込める。

(今よ!)
後ろ手に縛られている両手を強引に左右に開き、バチンという音と共に鎖を引きちぎる。
間髪を入れず、座っているベッドのシーツを掴み、勢い良く立ち上がりざまに白いシーツをマントのように翻して怪人達の頭部に被せ、視界を遮る。
「うぅっ! 何……っ!?」
(やった!)
そして首筋に巻き付いている細いプラスチックの首輪を指一本で難なく千切ると、突然のことに驚いて立ち尽くしているメディア魔術師へ叫ぶように声を掛ける。
「ごめんなさい! 私、ここで逃げる! でも待ってて、必ずすぐにみんなを連れて戻ってくるから!」
「ま……待て!」
別れの挨拶もそこそこに、ホウオウレンジャーはその場で高く跳躍し、被せられたシーツを抜け出そうともがく怪人達の頭上を越えて、開いた扉の向こうへと消えた。

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コメント

管理者にだけメッセージを送る

ついに・・・

束の間の休息が終わり、ここからが本当の地獄の始まりですね。
口紅歌姫の本音ではホウオウレンジャー・リンを八つ裂きにして顔に傷を付けたいけど、纏足にすることによって足の甲を無理矢理小さく変形させ、足の痛みで泣き叫ぶ姿を見て愉快そうに笑う口紅歌姫の姿を想像してしまいました。

本番開始

ようやく本番の凌辱が始まりますね!
前座で9話も使うなんて、今までで最長なんじゃないですか?
全部で何話くらいになりそうですか?

Re:ついに・・・

でかれん茶さんも調子が出てきた感じですね。
纏足シーンはご希望通りになるかどうかわからないので、書いてる途中でイメージに合うように指摘して下さい。

Re:本番開始

「愛玩」は長くなりすぎましたけどね。自分的には飼鳥(3)みたいなのが一番抜ける、一番力を入れて書くところなので本番みたいなものです。
今回は、堕ちるところまでであと5話くらいの予定ですが、Twitterで少し話の出た異種姦や一般人が参加した責めをやるとすると長くなりますね。個人的には余り長くせず内容を絞り込みたいですが。

復活した理由

再生怪人ですか。復活の理由は特に考えないほうがいいですかね

Re: 復活した理由

書き始めの頃は、怪人を再生するための専用部屋があって……みたいなことを考えてたけどそれを書くタイミングを逃しました。後のセリフで説明させます。
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Author:鳥籠
管理人の名前も鳥籠。
2chエロパロ板のヒロピンスレでの活動を経て個人ブログを立ち上げました。

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