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2015-06-27

飼鳥(22)

機械の停止後、比較的短い時間で薬の切れ目がやってきた。
肩や腰の拘束を外されたホウオウレンジャーは再び芋虫のように床に転がされ、肩や背中を震わせながら、じわじわと増してくる身体の疼きをひたすらに耐えている。
(また…… あれが……始まるのね……)
薬の効果が引いていく間のほんのわずかな時間しか精神の正常を保つことができない。このまま調教を繰り返されていけば、そのわずかの時間さえ無くなってしまうのだろう。
(機械を…… 誰かこの機械を止めて…… 誰か……!)
何度も繰り返した願い事をまた頭の中で反復しながら、身体の欲求に逆らって正常な意識をなんとか繋ぎとめようとする。いつか部屋の扉が壊され、5人の仲間達が救いに来てくれた時に、快楽に堕とされきった姿を見せたくはない。そしてそれ以前に、薬物調教や機械のセックスに喘ぎ狂う姿をゴーマ族の者に観察されていることには耐えられなかった。

そのうちに部屋の照明が徐々に明るくなったかと思うと、部屋の戸が重い音を立てて開いた。
仲間が来たのではない、ということは分かった。一体、怪人の誰が、と怯えながら扉の影を見詰めるの目に飛び込んできたのは、メディア魔術師の機械の身体だった。
「……!」
もしかしたら、という淡い期待が、薬物の禁断症状に苦しむホウオウレンジャーの脳裏に浮かぶ。メディア魔術師の再度の心変わりや、すぐに助け出されることまでは期待していない。しかし、今の苦痛に満ちた拘束状態を直接見て、何かそれを和らげるような措置を取ってくれる者が居るとしたらそれはこの男のほかになかった。
「ん……っ! ふぅんん……っ!」
両手両足の自由、言葉や表情さえも奪われて、助けを求めて呻き声を上げるホウオウレンジャーをちらと見た後、メディア魔術師は鳥籠の外側でしゃがみ込んで柵の中へと手を伸ばす。
(な、中には来てくれないの……?)
胴体を尺取虫のように使ってにじり寄ってくるホウオウレンジャーが柵のすぐ傍まで近づくと、メディア魔術師はつるりとした合金製のマスクを撫で、ぽんぽんと叩いて、よく頑張ってるな、と励ますような声を掛けた。
普通の関係ではないとは言え、苦しんでいる恋人への言葉としてはあまりにも軽い口調に若干の苛立ちを感じながら、ホウオウレンジャーはそれでも調教機械や拷問者のものではない手に触れられて、先程までとは格段に違った落ち着きを取り戻した。
よしよし、と犬や猫を撫でるようにマスクの顎の下や首のあたりを触られると、ペットのような扱いに屈辱を覚えながらもその意外な気分の良さに負けてしまい、懐くように顔を擦り付けに行ってしまう。

二人を隔てているのは柵や硬いマスクだけではなかった。マスクはその内側に大きな張り型、口枷を嵌めこまれており、このような場面なら始まるはずの恋人同士の会話というものが全く交わされないでいる。
「んぅっ、んん……っ」
外して、口枷を取って、とマスクの中から訴えかけるのをメディア魔術師はおそらく意図的に無視して、相変わらず檻の中のペットを扱うようにホウオウレンジャーの頭を撫でながら言う。
「まだ辛いだろうが、もう少しだ」
(辛いだけじゃないの……! わ、私…… もう……!)
この部屋の明るさでは真っ黒なバイザーの中の表情は外側から見えないのか、メディア魔術師は視線を合わせることもなく一方的に話し続ける。
「もうすぐに身体が慣れてくる。足の傷も大丈夫だ。24時間、快楽だけを感じていられるようになるぞ」
(……っ!)
依然として調教を止める気の全くないメディア魔術師の言葉に、ホウオウレンジャーは自分を助ける者のいない今の状況を再認識する。
(24時間……快楽だけを……!)
どうしても耳から離れない台詞のその部分を反芻して、自然と沸き起こった空想の中に引き込まれてしまいそうになる自分に気付き、狂ったような唸り声を上げる。
「うぅんん~っ! んぐぅんっ!」
これ以上助けを待つことはできない、今すぐ脱出しなければ…… と、まるで調教の始まった直後のようなことを考えながら、千切れるはずのない革手錠をギチギチと鳴らして、床の上をじたばたともがき回る。
「んんぉぉ~っ! ふぅーっ!」
(お願い! 口を! 口枷を外して! 話をさせて!)
暴れるホウオウレンジャーを柵越しに見詰めて、メディア魔術師は諭すように言う。
「次の『練習』まで何時間かある。もう少し我慢するんだ」
練習という言葉が意味するのが機械との疑似性交であることにすぐに気付き、一瞬の間だけ黙っていたホウオウレンジャーはまた閉ざされたマスクの中で絶叫する。
(違う! 違うの! もうあんな事をされたくないの! お願い……話を聞いて!)
だがメディア魔術師はくるりと背を向けて、しばらく周囲を見回すような素振りを見せると、恋人の声には構わず部屋の扉を開けて姿を消した。

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コメント

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>拍手コメント

はい、最終話にはそういうシーンはもちろん入ります。最後に助け出されるというのはナシですね。

最終的には完全に堕ちきってしまいます。

Re: タイトルなし

もちろんですよ。でも自分の好みとしては、最後には助け出されるけど調教で身体や心が完全には元に戻らないままというのが一番いいんですけどね。

やっぱり助け出されることなく堕ちきってしまう結末が良いですね。

私のリクエストを引き受けて下さって本当にありがとうございます。
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Author:鳥籠
管理人の名前も鳥籠。
2chエロパロ板のヒロピンスレでの活動を経て個人ブログを立ち上げました。

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