FC2ブログ
2016-06-16

衝突(1)

深夜の東京郊外。県境の山の方面へ向かう道路を高速で駆け抜ける機体があった。
一見しての形状は中型から大型のバイクといったところで、シートにも操縦者が一人跨っていたが、機体の各所を明るいピンクや金の装飾で覆ったSFメカのようなデザインは周囲の風景からするとあまりに場違いで、疎らな街灯に照らされるたび景色から浮き上がるように映った。
そしてその操縦者もバイクと同様、随分と目立つ外見をしていた。ピンクと白の、機体と同じ配色のライダースーツとヘルメットを着用しているように見える。しかしそれらは一般的な製品よりずっと身体にぴったりと密着した、明らかに薄手の素材で出来ていて、転倒時に着用者の身を守るという役割は普通なら果たせそうになかった。
薄いスーツが張り付いて強調された、胸の膨らみや肩から腰にかけてのボディラインは、スーツの色合いとも合わさって、そのバイクの主が若い女性であることを示していた。



五星戦隊ダイレンジャーの一員、ホウオウレンジャー・天風星リンは興奮と少しの混乱を抑えられないままに自分のキバーマシンを走らせていた。
数日前からの事件を解決する鍵は絶対にあの山にあるはずだった。昼過ぎから仲間達と集まって行った捜索にリン以外の4人はみな気が入らない様子で、誰からともなくもう明日にしようという声が上がって夕方には街へ戻ってきてしまったのだが、どうしても気になる場所はいくつか残っていた。
(みんな自分の用事ばっかり優先して…… もう少しの所だったのに……)
その日一度は寝床に入ったものの、眠気がやってくる気配が全くなかった。結局24時を回ってから自宅を抜け出し、仲間には連絡もせず独りホウオウレンジャーに転身してキバーマシンで目的地へ向かったのだった。
「絶対に見つけてみせる、私一人でも!」
ゴーマの企みを許せないという感情や、なぜか今回に限ってやる気の感じられない仲間達への苛立ちもある。だが、自分だけで事件を解決してみせるという功名心のようなものもあった。一人でこっそりと捜索すれば敵怪人や戦闘員に勘付かれる心配はかえって少なく、単独行動を取ることに何の危険もない、等と考えながら、途中からでも仲間を呼ぶという選択肢を断った。

次へ

コメント

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

鳥籠

Author:鳥籠
管理人の名前も鳥籠。
2chエロパロ板のヒロピンスレでの活動を経て個人ブログを立ち上げました。

サイトの説明
目次

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ