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2010-09-12

銀翼(1)

「わたしとしたことが途中で獲物を逃がすとはな」
炎神ジェットラスの声がコックピットに響く。
「逃げ足だけは速いヤツだったもの。仕方ないよ」
炎神の操縦席に座ったゴーオンシルバー・須塔美羽が物憂げに答える。

戦闘機に乗り込んだ敵と空中戦になるかと思われた矢先、煙幕に隠れて全速力で逃げ出した相手を数時間に渡って追いかけ、結局は取り逃がしてしまったのだ。
いつまで経っても距離の縮まらない標的を追い続けるのはパイロットとしても精神的に疲れるミッションだった。すでに日本の上空を外れ、足下には太平洋が広がる。計器を見てもすぐには現在地が掴めないところに来てしまっているようだった。東京に戻るにはまた何時間も飛び続ける必要がある。
(あーあ、すごく時間をムダにしちゃった気分。ジェットラスも途中であきらめて引き返せばよかったのに、もう)
ヘルメットの中でぶつぶつ呟くと、美羽はハーネスで固定された体を改めてシートに凭せ掛ける。
「さ、早く帰りましょ」
「ああ…だが少々疲れた。久々の失敗のせいか、どうも気分が優れないな」
ジェットラスが機首を少し下へ向ける。
「離れ小島だが、陸地がある。着陸するぞ」
「えっ?」
美羽としては一刻も早く帰りたいところだったが、海の真ん中の無人島に下りてみるのも悪くないかと思い直し、うなずいた。

ジェット噴射が止まり、機体が砂地に滑り込む。
「ふう…。まあここでいい、私は少し休む…」
着陸するなり、ジェットラスの声が消え入るように伝わり、そのまま沈黙した。
「ちょ、ちょっと! どうしたのよ今日は」
さっきまではそこまで疲弊した様子も無かった相棒の変調にマイクから呼びかけてみるが、返事はない。
嫌な予感がしたが、ゴーオンシルバーにもそれまでの疲れが込み上げてきて、操縦席に座ったまま、メットやハーネスも外さずに眠り込んでしまった。

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管理人の名前も鳥籠。
2chエロパロ板のヒロピンスレでの活動を経て個人ブログを立ち上げました。

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